少イ左の部屋_
ドット絵とゲーム制作など
2021/08/28 Sat.
色相環がつながるのはなぜ? 
雑記です。
色相環↓ってニュートンのころから提唱されてるんですけど、
本読んでて紫(380nm~)と赤(~780nm)って波長に隔たりがあるのに、
何でここだけつながるの?っていう疑問がわいたものの、
明確な回答が見つけられておらず、モヤッとしているという話。

これについてもうちょい具体的に何が違和感があるかを書く前に
前提となる話を少し説明します。
■そもそも色覚はどこで始まるか
物体に光が当たり、その物体の素材に応じて一部の光は物体に吸収され熱などに変わります。
で、残りが反射して網膜に入ってきます。
あるいは、光が物体に反射することなく直接網膜に入ります。
↓ヒト網膜の断面のイメージ。上が瞳孔で下が眼底。

生物種によってかなり構成が変わりますが、人の場合は大体こんなかんじで、
上から光が入ってきて、ごちゃごちゃある細胞群を光が抜けて、
黄色い色素上皮層の上にある「視細胞」で光が検出されます。
「視細胞」は明暗検出に優れる桿体細胞と、色検出に優れる錐体細胞の
2種類があります。絵だと赤青緑で描いているのが錐体細胞。
これらは明確に「赤」とか「青」とかを検出するわけではなく、
これらの細胞に含まれるロドプシンというたんぱく質が吸収する色を検出します。
このロドプシンはオプシンというたんぱく質と、レチナールという色素で構成されていますが、
光の波長によって反応が変わるのはオプシンのほうです。
で、この吸収する色の波長は結構幅があります。
下グラフは霊長類の3種のオプシンの反応について、最大量を100として縦軸を取り
横軸に光の波長を置いたものです(クリックで引用元へ)。

Sが青に近い色に反応する錐体細胞のオプシン
Mが緑に近い色に反応する錐体細胞のオプシン
Lが赤に近い色に反応する錐体細胞のオプシンです。
結構波長の幅が広いんですよね。
緑と赤がすごく近いですが、
進化の過程では紫外型・青型・緑型・赤型 → 青型・赤型 → 青型・緑型・赤型に変化したと
考えられていて、いったん青赤型になったところから赤が分化して緑ができたので
距離が近いといわれています。
理由は陸上の緑や果物の赤を見分ける必要が生じたとかそういう想定。
■錐体細胞で検出されたRGBをダイレクトに脳で認知するの?
これは色覚の初期部分のイメージですが、網膜錐体細胞で検出された
だいたい「赤」「青」「緑」に分けられた信号は、網膜のもうちょい瞳孔側にある
細胞群において加算・減算されて、「輝度」「赤-緑の差」「青-黄の差」に反応する細胞に変わります。

ここの加算減算が行われることで、色に関する信号的には
「赤緑細胞のうち赤の反応が緑より多いと反応する細胞」→赤
「赤緑細胞のうち緑の反応が赤より多いと反応する細胞」→緑
「青黄細胞のうち青の反応が黄(赤+緑)より多いと反応する細胞」→青
「青黄細胞のうち黄(赤+緑)の反応が青より多いと反応する細胞」→黄
の4つの信号に変わり、この後の大脳側で処理に繋がっていきます。
ポイントはあくまで「赤と緑の差」「青と黄の差」に反応し
「赤」「緑」「青」「黄」それぞれに反応するわけではないという点です。
赤と緑、あるいは青と黄が同時に知覚されず、
「赤っぽい緑」や「青っぽい黄」といった補色を組み合わせた感覚がない、
いわゆる「反対色」という感覚が細胞の回路構成でできているという話です。
Thomas YoungやHermann von Helmholtzは赤緑青の3原色で色が作られるという説だったのに対し、
Ewald Heringは赤緑青黄の4原色じゃね、という説を唱えたんですが
解剖学的にはどっちも正しいことになります。
■色相環の話は?
で、ようやく戻ってくるんですが、
この補色関係にある4つの色同士を足し合わせることで
橙、黄緑、青緑、紫などの感覚が得られるわけで
「赤緑細胞のうち赤の反応が緑より多いと反応する細胞」→赤
「青黄細胞のうち青の反応が黄(赤+緑)より多いと反応する細胞」→青
が同時に反応する状態、が紫を認識する状態で、
錐体細胞で言うと赤と青を検出するやつが同時に反応する状態が紫ということです。

でもこれ
「紫(400nm)が網膜に入った状態」と
「青(480nm)と赤(700nm)が同時に網膜に入った状態」の感覚が同じっていうことですよね、
平均ですらないんですよね。よりエネルギー的に高いものと誤認するっていう。
当初の私の疑問である色相環がつながるのはなぜ?っていうのは
この紫の感覚が同じになるのはなぜ?という疑問です。
■個人的な解釈
上でオプシンのグラフをのせましたが、
短波長の領域においては青だけでなく赤や緑にも
若干反応するんですよ。
紫を認識する時って400nmあたりなので
・S(青)が最も反応する
・L(赤)が反応する
・M(緑)が最も反応しない
状態ですから、
「青黄細胞が青を返す」
「赤緑細胞が赤を返す」
状態ですよね。
一方で赤の光と青の光を同時に網膜に入れると
これと同じ状態になるので、感覚的に同じであると誤認するのではないかと。
なので色相環がつながる理由はLのオプシンが赤領域だけでなく、
短波長の紫に近い領域でも光に反応するからでは??と
想定しているんですが、どうなんでしょうね。
ネズミならともかく網膜錐体細胞の反応を細胞が生きたままパッチクランプなどで計測するのって
その網膜提供するヒトどっから連れてくるの??っていう理由で
かなり難易度が高いはずで、ざっと調べた時に死んだ人の網膜から取り出した
オプシンの光への反応は論文が出ても
網膜視細胞の霊長類のスパイク数とかが見つけられなかったのは、手法の難易度のせいかと思うのですが、
もしかしたら細胞から計測しているデータもあるかもしれないです。
そっちのほうが確実なことが言えるとは思うのですが・・教えて詳しい人・・。
ちなみに色相環の同じ疑問を持った人は国内外で結構見かけて、
私と同じ解釈の人はいたんですが視覚の研究者ではありませんでした。
一番多いのは「色相環がつながるのは色相環をそう設計したから」
「赤と青の波長に差があろうが人が設計した仮想区間のような話なので関係ない」といった
議論そのものをしない回答でした。
■補足
今回は網膜の話か書いてませんが、
色の情報は網膜→視床下部→大脳皮質一次視覚野に流れます。
左の視野の情報が右脳、右の視野の情報が左脳で処理されます。

そのあとは二次視覚野→四次視覚野→下頭側皮質に流れる腹側視覚経路を通り、
最終的に色が見えてるわーという感覚を得ることになります。
色なんて網膜視細胞で検出できてるのになんでそんな経路へるの???っていう話なのですが、
・水彩錯視だと輪郭部分にだけ色が塗られていると中まで塗ってあるように錯覚する
・色の同化だと同じ色でも隣り合う色の情報によって異なる色に見える
わけで、こうした錯覚から推察すると、純粋な絶対値で色を感じているのではなく、
隣り合う色同士を比較して色を感じているとか、
見えた図像を地と分離して輪郭線の情報から図像全体の色を推察するとか、
結構いろんな処理をしないと我々の視覚って構成できないみたいです。
このあたりは
バッハ先生の趣味サイトで錯視をやってみたり、北岡先生の吐きそうな錯視を見たり、
視覚科学を読んだりすると、さわりはわかるかと。
色相環↓ってニュートンのころから提唱されてるんですけど、
本読んでて紫(380nm~)と赤(~780nm)って波長に隔たりがあるのに、
何でここだけつながるの?っていう疑問がわいたものの、
明確な回答が見つけられておらず、モヤッとしているという話。

これについてもうちょい具体的に何が違和感があるかを書く前に
前提となる話を少し説明します。
■そもそも色覚はどこで始まるか
物体に光が当たり、その物体の素材に応じて一部の光は物体に吸収され熱などに変わります。
で、残りが反射して網膜に入ってきます。
あるいは、光が物体に反射することなく直接網膜に入ります。
↓ヒト網膜の断面のイメージ。上が瞳孔で下が眼底。

生物種によってかなり構成が変わりますが、人の場合は大体こんなかんじで、
上から光が入ってきて、ごちゃごちゃある細胞群を光が抜けて、
黄色い色素上皮層の上にある「視細胞」で光が検出されます。
「視細胞」は明暗検出に優れる桿体細胞と、色検出に優れる錐体細胞の
2種類があります。絵だと赤青緑で描いているのが錐体細胞。
これらは明確に「赤」とか「青」とかを検出するわけではなく、
これらの細胞に含まれるロドプシンというたんぱく質が吸収する色を検出します。
このロドプシンはオプシンというたんぱく質と、レチナールという色素で構成されていますが、
光の波長によって反応が変わるのはオプシンのほうです。
で、この吸収する色の波長は結構幅があります。
下グラフは霊長類の3種のオプシンの反応について、最大量を100として縦軸を取り
横軸に光の波長を置いたものです(クリックで引用元へ)。

Sが青に近い色に反応する錐体細胞のオプシン
Mが緑に近い色に反応する錐体細胞のオプシン
Lが赤に近い色に反応する錐体細胞のオプシンです。
結構波長の幅が広いんですよね。
緑と赤がすごく近いですが、
進化の過程では紫外型・青型・緑型・赤型 → 青型・赤型 → 青型・緑型・赤型に変化したと
考えられていて、いったん青赤型になったところから赤が分化して緑ができたので
距離が近いといわれています。
理由は陸上の緑や果物の赤を見分ける必要が生じたとかそういう想定。
■錐体細胞で検出されたRGBをダイレクトに脳で認知するの?
これは色覚の初期部分のイメージですが、網膜錐体細胞で検出された
だいたい「赤」「青」「緑」に分けられた信号は、網膜のもうちょい瞳孔側にある
細胞群において加算・減算されて、「輝度」「赤-緑の差」「青-黄の差」に反応する細胞に変わります。

ここの加算減算が行われることで、色に関する信号的には
「赤緑細胞のうち赤の反応が緑より多いと反応する細胞」→赤
「赤緑細胞のうち緑の反応が赤より多いと反応する細胞」→緑
「青黄細胞のうち青の反応が黄(赤+緑)より多いと反応する細胞」→青
「青黄細胞のうち黄(赤+緑)の反応が青より多いと反応する細胞」→黄
の4つの信号に変わり、この後の大脳側で処理に繋がっていきます。
ポイントはあくまで「赤と緑の差」「青と黄の差」に反応し
「赤」「緑」「青」「黄」それぞれに反応するわけではないという点です。
赤と緑、あるいは青と黄が同時に知覚されず、
「赤っぽい緑」や「青っぽい黄」といった補色を組み合わせた感覚がない、
いわゆる「反対色」という感覚が細胞の回路構成でできているという話です。
Thomas YoungやHermann von Helmholtzは赤緑青の3原色で色が作られるという説だったのに対し、
Ewald Heringは赤緑青黄の4原色じゃね、という説を唱えたんですが
解剖学的にはどっちも正しいことになります。
■色相環の話は?
で、ようやく戻ってくるんですが、
この補色関係にある4つの色同士を足し合わせることで
橙、黄緑、青緑、紫などの感覚が得られるわけで
「赤緑細胞のうち赤の反応が緑より多いと反応する細胞」→赤
「青黄細胞のうち青の反応が黄(赤+緑)より多いと反応する細胞」→青
が同時に反応する状態、が紫を認識する状態で、
錐体細胞で言うと赤と青を検出するやつが同時に反応する状態が紫ということです。

でもこれ
「紫(400nm)が網膜に入った状態」と
「青(480nm)と赤(700nm)が同時に網膜に入った状態」の感覚が同じっていうことですよね、
平均ですらないんですよね。よりエネルギー的に高いものと誤認するっていう。
当初の私の疑問である色相環がつながるのはなぜ?っていうのは
この紫の感覚が同じになるのはなぜ?という疑問です。
■個人的な解釈
上でオプシンのグラフをのせましたが、
短波長の領域においては青だけでなく赤や緑にも
若干反応するんですよ。
紫を認識する時って400nmあたりなので
・S(青)が最も反応する
・L(赤)が反応する
・M(緑)が最も反応しない
状態ですから、
「青黄細胞が青を返す」
「赤緑細胞が赤を返す」
状態ですよね。
一方で赤の光と青の光を同時に網膜に入れると
これと同じ状態になるので、感覚的に同じであると誤認するのではないかと。
なので色相環がつながる理由はLのオプシンが赤領域だけでなく、
短波長の紫に近い領域でも光に反応するからでは??と
想定しているんですが、どうなんでしょうね。
ネズミならともかく網膜錐体細胞の反応を細胞が生きたままパッチクランプなどで計測するのって
その網膜提供するヒトどっから連れてくるの??っていう理由で
かなり難易度が高いはずで、ざっと調べた時に死んだ人の網膜から取り出した
オプシンの光への反応は論文が出ても
網膜視細胞の霊長類のスパイク数とかが見つけられなかったのは、手法の難易度のせいかと思うのですが、
もしかしたら細胞から計測しているデータもあるかもしれないです。
そっちのほうが確実なことが言えるとは思うのですが・・教えて詳しい人・・。
ちなみに色相環の同じ疑問を持った人は国内外で結構見かけて、
私と同じ解釈の人はいたんですが視覚の研究者ではありませんでした。
一番多いのは「色相環がつながるのは色相環をそう設計したから」
「赤と青の波長に差があろうが人が設計した仮想区間のような話なので関係ない」といった
議論そのものをしない回答でした。
■補足
今回は網膜の話か書いてませんが、
色の情報は網膜→視床下部→大脳皮質一次視覚野に流れます。
左の視野の情報が右脳、右の視野の情報が左脳で処理されます。

そのあとは二次視覚野→四次視覚野→下頭側皮質に流れる腹側視覚経路を通り、
最終的に色が見えてるわーという感覚を得ることになります。
色なんて網膜視細胞で検出できてるのになんでそんな経路へるの???っていう話なのですが、
・水彩錯視だと輪郭部分にだけ色が塗られていると中まで塗ってあるように錯覚する
・色の同化だと同じ色でも隣り合う色の情報によって異なる色に見える
わけで、こうした錯覚から推察すると、純粋な絶対値で色を感じているのではなく、
隣り合う色同士を比較して色を感じているとか、
見えた図像を地と分離して輪郭線の情報から図像全体の色を推察するとか、
結構いろんな処理をしないと我々の視覚って構成できないみたいです。
このあたりは
バッハ先生の趣味サイトで錯視をやってみたり、北岡先生の吐きそうな錯視を見たり、
視覚科学を読んだりすると、さわりはわかるかと。
tb: -- cm: 0
2021/07/09 Fri.
続・鳥ブローチ 
前回と製法や発注先は全く同じだが、種類ができてくると見ごたえがある。

10万円~20万円くらいは材料費(特に刺繍)でかかるので、
一気にたくさんの種類の鳥を!と思ってもなかなか勢いをつけにくいところ。
イベントに頻繁に参加できて、数を捌ける目途があるならいいんだが、
都心のコロナの現状ではそこが難しい。

ちなみに刺繍以外は手工業だが、おしゃれ制作現場ではなく
洗濯ばさみで地道に接着、みたいな感じ。
接着は洗濯ばさみが一番強度があって使いやすい。
このブローチに関しては跡が残ったりもしないが、柔らかい素材だとこの方法は無理かも。
tb: -- cm: 0
2021/05/21 Fri.
ドットはんこ 
レトロ印刷さんでハンコ作れるんですよね。
で、ハーフサイズのものを発注したんですよ。
↓ぎっしり敷き詰めて

んで、持ち手を別途買って、69個作ったんですよ。

3,465円(はんこ)+4,635円(持ち手)=8,100円だから1個117円か。
高いわ!って思ったけど単純に数が多すぎるんですよしょさ氏。
物自体は作ったが、販売できるような製品に持っていくデザインセンスがなさ過ぎて幼稚園児並みと言われ、その通りだなぁと思ったので、私はドット絵とその展開方法を考えるだけに集中して、デザインは他人に丸投げしたほうがいいわ。
で、ハーフサイズのものを発注したんですよ。
↓ぎっしり敷き詰めて

んで、持ち手を別途買って、69個作ったんですよ。

3,465円(はんこ)+4,635円(持ち手)=8,100円だから1個117円か。
高いわ!って思ったけど単純に数が多すぎるんですよしょさ氏。
物自体は作ったが、販売できるような製品に持っていくデザインセンスがなさ過ぎて幼稚園児並みと言われ、その通りだなぁと思ったので、私はドット絵とその展開方法を考えるだけに集中して、デザインは他人に丸投げしたほうがいいわ。
tb: -- cm: 0
2021/05/21 Fri.
鳥ブローチ 
鳥ブローチを作りました。
今回は本当に初回試作なので、すべて手探りでごく少数だけですが・・
方向性として
・刺繍の鳥が意外とかわいいし、ブローチにすると結構使いたくなる
・安っぽくない形でデザインを仕上げたい
・うんちく要素は特に入れない(書籍ではないので)
というイメージでいました。特にドット絵を使用した製品はアクリルキーホルダーやシールなどがありますが、高級感が出せているものが少なく、そういった方向性が出せないかを検討したい、という課題。
で、鳥のビオソフィアの印象で行きましょう、という相談をして、標本箱をテーマにしたパッケージになりました。
以下、自分のメモ代わりの制作過程ですが、

左上:初回手製(裁縫におけるクロスステッチ以外のドット表現のテスト)
中列上:理想のサイズで手製しようとして力尽きたもの
左下と中列下:手製でブローチまでもっていったが、やはりデカいと感じる
右:Makingさんに発注して作ってもらったもの。
この時点で10個しか作らなかった場合は単価が3,019円となり、とても販売には向かないが、かといってうまくいくかもわからないのに大ロット作っても仕方がないので、このまま進めることにしました。
なお一回型を作ってもらえば次回以降はかなり安くなってきます。50とか100とか売るなら問題ないと思う。
制作単価は色の数(糸の種類)で大きく変わりますので、デザイン次第で値段は下げられると思います。納期は1か月程度は見たほうが良いです。

サイズ感を調整するための箱の試作。

箱のデザインについて、「黒い箱にシール印刷したラベルを貼るのがダサい(安っぽい)」という理由で、箱に直接白インクで細い文字を記載する方法を検討することになりました。
で、まずアドマさんで転写シートを作ってもらい、箱に転写しようとしました。転写シート自体は印刷も美しく問題なかったんですが、箱に用いた紙の表面に凹凸があるからか、相性の問題で貼り付けがうまくいかず、このようにボロボロになりました。

このため、斎藤紙工さんに紙を持ち込んで白印刷していただきました。
箱の紙はディープマットを使用しましたが、この紙を持ち込んで白印刷する、ということが意外にハードルが高く、いろいろ探した中で選定したものの、行ってみると非常にやさしい街の印刷所さんという感じで、学生も使用することが多いとのこと。「とてもよかった」(gshegs氏談)
あとはブローチにするために裏側に黒い布とピンをくっつけて、いい感じに箱に収まるように設計して完成という流れ。
ピンは貴和製作所さんのオンラインショップでいろいろ種類があるので、回転式の力をあまりかけずにつけ外しできるものを選びました。
MACON & LESQUOYのブローチが梱包も含めて非常に完成されており、参考にさせていただきました。
こういうものを買っておくのもいい勉強になるね。私は表参道のPass the Batonでたまたま売ってたのを見かけて買いました。表参道のbaton閉店するんですよね・・・
今回は本当に初回試作なので、すべて手探りでごく少数だけですが・・
方向性として
・刺繍の鳥が意外とかわいいし、ブローチにすると結構使いたくなる
・安っぽくない形でデザインを仕上げたい
・うんちく要素は特に入れない(書籍ではないので)
というイメージでいました。特にドット絵を使用した製品はアクリルキーホルダーやシールなどがありますが、高級感が出せているものが少なく、そういった方向性が出せないかを検討したい、という課題。
で、鳥のビオソフィアの印象で行きましょう、という相談をして、標本箱をテーマにしたパッケージになりました。
以下、自分のメモ代わりの制作過程ですが、

左上:初回手製(裁縫におけるクロスステッチ以外のドット表現のテスト)
中列上:理想のサイズで手製しようとして力尽きたもの
左下と中列下:手製でブローチまでもっていったが、やはりデカいと感じる
右:Makingさんに発注して作ってもらったもの。
この時点で10個しか作らなかった場合は単価が3,019円となり、とても販売には向かないが、かといってうまくいくかもわからないのに大ロット作っても仕方がないので、このまま進めることにしました。
なお一回型を作ってもらえば次回以降はかなり安くなってきます。50とか100とか売るなら問題ないと思う。
制作単価は色の数(糸の種類)で大きく変わりますので、デザイン次第で値段は下げられると思います。納期は1か月程度は見たほうが良いです。

サイズ感を調整するための箱の試作。

箱のデザインについて、「黒い箱にシール印刷したラベルを貼るのがダサい(安っぽい)」という理由で、箱に直接白インクで細い文字を記載する方法を検討することになりました。
で、まずアドマさんで転写シートを作ってもらい、箱に転写しようとしました。転写シート自体は印刷も美しく問題なかったんですが、箱に用いた紙の表面に凹凸があるからか、相性の問題で貼り付けがうまくいかず、このようにボロボロになりました。

このため、斎藤紙工さんに紙を持ち込んで白印刷していただきました。
箱の紙はディープマットを使用しましたが、この紙を持ち込んで白印刷する、ということが意外にハードルが高く、いろいろ探した中で選定したものの、行ってみると非常にやさしい街の印刷所さんという感じで、学生も使用することが多いとのこと。「とてもよかった」(gshegs氏談)
あとはブローチにするために裏側に黒い布とピンをくっつけて、いい感じに箱に収まるように設計して完成という流れ。
ピンは貴和製作所さんのオンラインショップでいろいろ種類があるので、回転式の力をあまりかけずにつけ外しできるものを選びました。
MACON & LESQUOYのブローチが梱包も含めて非常に完成されており、参考にさせていただきました。
こういうものを買っておくのもいい勉強になるね。私は表参道のPass the Batonでたまたま売ってたのを見かけて買いました。表参道のbaton閉店するんですよね・・・
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2021/05/16 Sun.
犬本 
2018年の年賀で打った犬を同人誌にしました。
犬の絵を描くまでは品種の知識などほとんどなかったんですが、描く流れで人間がどうやって品種を作ってきたのか、そしてその結果どのような疾患に各犬種がかかりやすくなったのか、あるいは断尾や断耳の習慣について知り、せっかく作るなら単にシールだけにとどまらず、このあたりの知識が得られるものにしましょう、という話になった流れです。


【おもな作業工程】
①一部ドット絵の打ち直し
・全体的な色調の修正
・ゴールデンレトリバーの修正
・カナディアンエスキモー→アラスカンマラミュートに変更
・断尾、断耳について、一定の慣習がある犬種は実施
・文字や細かいロゴなどの追加
など
②色校正
シール印刷は普通にグラフィックで実施。
紙はミラーコート紙。
はっきり言って色校正する意味が感じられないくらい色が合いませんでした。2回校正に出して、同じデータでも出力されてくるものが赤に寄ったり青に寄ったりで安定しないので、ある程度妥協してます。何回かシールを作ったことがあるんですが、シール用紙は彩度が落ちる印象があります。
③本文
レトロ印刷でわら半紙でインクは茶で実施。犬の本なので、犬っぽいイメージに寄せる柔らかい色、という印象で決定。
・本文作成(一番大変・・)
・フォント
本文ひらがな:游明朝36ポかな
本文漢字:游明朝
英文:adobe Garamond
英文キャプション:DIN
など合成して文字組み
・レイアウト
・字間調整
・文字校正 など
④製本設計
最終的に表紙とシールを張り合わせて、本文は小さい冊子状にして閉じこんだうえで、箱をつけるという形になってますが、ここに落ち着くまでに結構紆余曲折がありました。一般的な体裁でまとめるよりは、どうせならアートブックフェアに出しても弾かれない程度のこだわりで作っておきたいという意図もあり、かなり変形の本かと。
⑤裏表紙
竹尾のビオトープGA-FSのマロン170kg、返しが120kg
これも茶色で柔らかい印象のある厚紙、ということで選定
⑥箱
大和板紙のUボードホワイトを選定
表と裏で模様の異なる可愛い紙です。白すぎず、茶色の本体と合う、やや明るめの白です。
⑦箱シール
すでに製造中止になっているエレコムのEDT-DIT16の国内在庫を買い占めました、、、25枚くらいしか見つけられなかったので、この本が同じ形で二度と作れない理由です。
試作でグラフィックに頼んだんですが、シール印刷は思った色の再現が難しく、紙も白すぎて浮いてしまうので、上記の印刷紙で家プリンター印刷にしました。プリンタ用紙ですがふわっとした表面でテクスチャもあるいい紙です(が製造中止)
作成後にHAGURUMAさんでもよかったかもねという話をしました。シール印刷で紙も拘りたい場合は検討してもいいかと。
なお①以外はほとんどgshegsさんが実作業してます。
私は途中で口をはさんで苦しめるなどしました。
***************

これがまとめメモです。
再計算したら1冊当たり60円の赤字でした。
ブーストしてくれた方、ありがとうございました、、。
***************

ちなみに一番の見どころはあとがきにおける作者2人のテンションの差です。
犬の絵を描くまでは品種の知識などほとんどなかったんですが、描く流れで人間がどうやって品種を作ってきたのか、そしてその結果どのような疾患に各犬種がかかりやすくなったのか、あるいは断尾や断耳の習慣について知り、せっかく作るなら単にシールだけにとどまらず、このあたりの知識が得られるものにしましょう、という話になった流れです。




【おもな作業工程】
①一部ドット絵の打ち直し
・全体的な色調の修正
・ゴールデンレトリバーの修正
・カナディアンエスキモー→アラスカンマラミュートに変更
・断尾、断耳について、一定の慣習がある犬種は実施
・文字や細かいロゴなどの追加
など
②色校正
シール印刷は普通にグラフィックで実施。
紙はミラーコート紙。
はっきり言って色校正する意味が感じられないくらい色が合いませんでした。2回校正に出して、同じデータでも出力されてくるものが赤に寄ったり青に寄ったりで安定しないので、ある程度妥協してます。何回かシールを作ったことがあるんですが、シール用紙は彩度が落ちる印象があります。
③本文
レトロ印刷でわら半紙でインクは茶で実施。犬の本なので、犬っぽいイメージに寄せる柔らかい色、という印象で決定。
・本文作成(一番大変・・)
・フォント
本文ひらがな:游明朝36ポかな
本文漢字:游明朝
英文:adobe Garamond
英文キャプション:DIN
など合成して文字組み
・レイアウト
・字間調整
・文字校正 など
④製本設計
最終的に表紙とシールを張り合わせて、本文は小さい冊子状にして閉じこんだうえで、箱をつけるという形になってますが、ここに落ち着くまでに結構紆余曲折がありました。一般的な体裁でまとめるよりは、どうせならアートブックフェアに出しても弾かれない程度のこだわりで作っておきたいという意図もあり、かなり変形の本かと。
⑤裏表紙
竹尾のビオトープGA-FSのマロン170kg、返しが120kg
これも茶色で柔らかい印象のある厚紙、ということで選定
⑥箱
大和板紙のUボードホワイトを選定
表と裏で模様の異なる可愛い紙です。白すぎず、茶色の本体と合う、やや明るめの白です。
⑦箱シール
すでに製造中止になっているエレコムのEDT-DIT16の国内在庫を買い占めました、、、25枚くらいしか見つけられなかったので、この本が同じ形で二度と作れない理由です。
試作でグラフィックに頼んだんですが、シール印刷は思った色の再現が難しく、紙も白すぎて浮いてしまうので、上記の印刷紙で家プリンター印刷にしました。プリンタ用紙ですがふわっとした表面でテクスチャもあるいい紙です(が製造中止)
作成後にHAGURUMAさんでもよかったかもねという話をしました。シール印刷で紙も拘りたい場合は検討してもいいかと。
なお①以外はほとんどgshegsさんが実作業してます。
私は途中で口をはさんで苦しめるなどしました。
***************

これがまとめメモです。
再計算したら1冊当たり60円の赤字でした。
ブーストしてくれた方、ありがとうございました、、。
***************

ちなみに一番の見どころはあとがきにおける作者2人のテンションの差です。
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